「彼こそ、日本の求めていたフォワードだ」。
私は彼を最初に見たときそう思った。
それは鹿島アントラーズ所属のフォワード、興梠慎三だ。
身長があまり高くないスピードタイプの選手だが、特筆すべきはその身体能力。
圧倒的なスピード、ジャンプ力、そして当たり負けない強靭な肉体を持ち合わせている。
背の高くない選手が強い肉体を持つことは稀なので、非常に魅力的である。
また日本人の中では比較的長い足を持ち、ただ得点を狙うだけでなく前線でキープすることもできる。
ハートも強く、フォワードには不可欠なエゴイスティックな面を持つ選手。
しかし、自己中心的な選手であるかというと全くそんなことはなく、ポストプレーも積極的かつ丁寧に行うなど、チームプレーに徹する柔軟な思考を持っている。
元日本代表の柳沢からポジションを奪った彼は、本人曰く「もしも自分がディフェンダーをやっていたら、カンナバーロぐらいにはなっていた」のだという。
